株式を購入するときに、
- 今の株価は妥当なのか。割高なのか
- 株主優待のために買うなら、どの時期がよいか
- 投資する上で何か注意すべきことはあるか
など、投資で失敗しないための様々な疑問や不安を抱えるかと思います。
そこで、本記事では代表的な株主優待銘柄で、個人投資家の注目度も高い「すかいらーく(証券コード:3197)」の、
- 理論株価
- 日経平均株価との相関性
- 株主優待の権利が決まった次の日の騰落率
- 1年のうちの買い時
などを、過去の株価データを利用して検証してみました。
すかいらーくの株主優待については、以下の記事をどうぞ。
以下で述べる話題は、様々な仮定や過去のデータに基づく検証であり、あなたの将来の運用成績を保証するものではありません。
記事のポイント
- すかいらーく株式の理論株価は、2018年7月14日時点で1株1,510円。PERは日経平均株価以上なものの、現在の株価は妥当な水準の可能性がある
- すかいらーく株価は、日経平均株価との相関性がやや高い。1年のうち、冬はやや低めの株価で推移する可能性がある
- 権利落ち日の株価騰落率は平均1.1%の下落。2016年6月には権利確定日にその年の最高値を記録し、翌日4%超の株価下落を記録しているので、株主優待の権利確定日当日に株式を買うのはやめたほうが良い
理論株価を求めてみる
先に結果だけ述べておくと以下の通りです。なお、2018年7月13日終値時点でのすかいらーくの株価は1,565円です。
手法 | PERを使った方法 | EPSとBPSを使った方法 |
---|---|---|
理論株価 | 1,566円 | 1,510円 |
2018年7月14日時点で、すかいらーくの2018年12月期の予想PER(株価収益率)は17.93倍と、日経平均株価を構成する225銘柄の平均PERである14.47倍(前期基準)よりも若干高いです。
PERだけを見る限りは、割高な銘柄と言えます。
PERを使った方法
理論株価=予想年間純利益÷発行済み株式数×PER
この計算では、以下の数値を利用します。
- 予想年間純利益:172億円(2018年度予想)(決算資料より)
- 発行済み株式数:196,922,200株
- PER:17.93倍(四季報より)
https://ir.skylark.co.jp/library/presentation.html
ここから求まる、すかいらーくの理論株価は「1,566円」となります。この結果に基づくと、ちょうど現在の株価とほぼ同等で、割高でも割安でもない、妥当な水準と言えます。
EPSとBPSを使った方法
理論株価=EPS×10+BPS
この計算では、以下の数値を利用します。
- EPS(1株純利益):87.3円(四季報より)
- BPS(1株純資産):636.85円(四季報より)
ここから求まる、すかいらーくの理論株価は「1,510円」となり、現在は妥当な水準と言えそうです。
ちなみに、「みんかぶ」のすかいらーく理論株価は?
2018年7月14日時点で「1,650円」だそうです。
すかいらーく株価と日経平均株価の相関性
2014年10月9日以降のすかいらーく株価と日経平均株価を比較し、両者の相関係数を求めてみました。
完全な正の相関の時、+1の値となり、完全な負の相関の時に-1の値となり、完全な無相関の時に0の値となる。
その結果、すかいらーく株価と日経平均株価の相関係数は「0.67」と高い相関性を示します。すかいらーくは日経平均構成銘柄ではないものの、おおよそ日経平均株価と同じように値動きすると予想されます。
ゆえに、すかいらーく株式の買い時は日経平均株価が値下がりしたタイミングと言えそうですね。
すかいらーくの株主優待権利が決まった翌日(権利落ち日)の株価騰落率
平均1.1%の下落。最大で4%超
以下は、すかいらーく株式の権利落ち日における、株価の騰落率(とうらくりつ)(前日比)をまとめたものです。平均すると、権利落ち日は前日より約1.1%株価が下落する可能性があります。
日付 | 株価騰落率(前日比) |
---|---|
2018/06/27 | -2.70 |
2017/12/27 | -0.86 |
2017/06/28 | -1.39 |
2016/12/28 | -4.35 |
2016/06/28 | -1.24 |
2015/12/28 | +0.97 |
2015/06/26 | -0.12 |
2014/12/26 | -1.08 |
2014年以降、9回の権利落ちで8回は株価が下落しており、権利確定日当日に株主優待目的ですかいらーく株式を購入すると、翌日損失を抱える可能性は高いと言えます。株主優待目的ならできるだけ事前に仕込みたい銘柄です。
年間でもっとも株価が高かった時期と安かった時期
2014年10月以降の各年で、すかいらーく株価が年初来高値を記録した日と年初来安値を記録した日をまとめてみました(いずれも終値ベース)。
年 | 年初来高値 | 年初来安値 |
---|---|---|
2018 | 6月15日 | 2月15日 |
2017 | 5月18日 | 1月23日 |
2016 | 12月27日 (権利確定日) | 6月24日 |
2015 | 8月4日 | 2月12日 |
2014 | 11月27日 | 10月23日 |
正直微妙なところですが、年が明けた1月や2月は株価があまり高くならないかもしれません。ただ、日経平均株価など外部環境にも依存しますので、かなり微妙です。
2016年には年末の株主優待の権利が決まる、権利確定日にその年の最高値を記録したケースもあります。この翌日の権利落ち日には4%超の株価下落を記録しています。
優待目的の投資なら、もっと早く株を買ったほうが株価の下落は避けられると思います。
すかいらーくの株の買い時はどうやって探せばいい?
上述の通り、1月や2月はすかいらーく株式の買い時になる可能性があります。
よくわからなかったら、
- 楽天証券のスマホ「iSPEED」を使って、テクニカルで買い時を探す
- GMOクリック証券の財務分析ツールを使って、株価が下がったタイミングを狙う
などが挙げられます。
まとめ
- すかいらーく株式の理論株価は、2018年7月14日時点で1株1,510円。PERは日経平均株価以上なものの、現在の株価は妥当な水準の可能性がある
- すかいらーく株価は、日経平均株価との相関性がやや高い。1年のうち、冬はやや低めの株価で推移する可能性がある
- 権利落ち日の株価騰落率は平均1.1%の下落。2016年6月には権利確定日にその年の最高値を記録し、翌日4%超の株価下落を記録しているので、株主優待の権利確定日当日に株式を買うのはやめたほうが良い
ちなみに、あなたがこれから初めてすかいらーくの株式を買って、株主優待生活を目指すなら、SBI証券や楽天証券等のネット証券の利用をオススメ。ここまでの検証に利用した四季報のデータや、過去の株価データも閲覧できます。
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