2018年9月13日、筆者は楽天証券の新デイトレツール「MARKET SPEED Ⅱ(マーケットスピード2)」のメディア向け説明会に参加しました!MARKET SPEED Ⅱは2018年9月30日にリリース予定の新しいツールで、
- マルチウィンドウ対応
- テクニカルチャートの情報量強化
- 機関投資家顔負けの「アルゴ注文」実装
など、様々な新機能をそろえています。
本記事では、MARKET SPEED Ⅱの特徴を紹介するとともに、普段は表に出ることのない、開発の裏事情や使い方など、説明会で語られた話も併せて紹介します!
「MARKET SPEED Ⅱ」開発に至った話
MARKET SPEEDは日本で始めて「株価の自動更新」を実装したデイトレツール!
説明会では、MARKET SPEED Ⅱの新機能説明の前に、楽天証券の代表取締役社長である「楠 雄治」様より、デイトレツールの歴史や、MARKET SPEED Ⅱ開発に至った秘話などが紹介されました。
MARKET SPEEDの初期バージョンは2000年5月(18年前!)にリリースされたとのこと。当時は、1999年10月に株式委託手数料の自由化(いわゆる金融ビッグバン)が始まり、それをきっかけにインターネット証券が始まりました。
当時のユーザーインターフェースは携帯電話(スマホではない)で、パソコンもIE(インターネットエクスプローラ)がシェアを占めていて、ブラウザ上で取引していました。そのような状況で、「株トレード専用のツール」を開発しようとして誕生したのが「MARKET SPEED」でした。やはり、アクティブにトレードする投資家にとっては、ブラウザ(IE)は使いにくいので、機関投資家同様の環境を用意しようと開発されたそうです。
MARKET SPEED Ⅱは「使いやすい」をコンセプトにアップデート
MARKET SPEED ⅡはMARKET SPEEDの使いやすさを継承した新ツール。
- 画面の階層を浅くしている(2つのメニューと右クリックだけでほとんどの機能にアクセス可)
- 情報量や発注スピードにこだわり
- 楽天証券の手作り(リクエストを分析しながら、機能を強化した)
今回大きなアップデートに至ったのは、18年使い続けてきたため、ソフトウェア的にも古くなり、新しい技術の取り入れも難しくなってきたから。利用状況なども確認しながら、開発を進めてきたそうです。
これまでMARKET SPEEDを使ってきたユーザーが違和感を感じないように慎重に検討してアップデートされたそうです。これまでの要素と、新しい技術を融合させることで、さらに使い勝手のよいツールに進化したのですね!
個人投資家がプロの機関投資家との相対して取引する中で、負けないようにしようという思いもこめられているそうです。
「MARKET SPEED Ⅱ」のここがすごい!
開発を担当された長谷川様より、MARKET SPEED Ⅱの新機能を紹介していただきました。ポイントは、以下の3つだそうです。
- 情報量
- 操作性
- アルゴ注文
情報量
- マルチウィンドウ対応
- 1画面に必要な情報を集約
- ヒートマップやマルチチャートを追加
MARKET SPEED Ⅱになってマルチウィンドウ対応!複数台のディスプレイを利用して、より膨大な情報を閲覧できるようになりました。
以下は、MARKET SPEED Ⅱのスクリーンショットです。例えば、あなたがお気に入りに登録した複数の銘柄の値動きを1画面内に表示させる「マルチチャート」や、銘柄ごとに値上がり・値下がりをタイル状に表示できる「ヒートマップ機能」も利用できます。
値上がりが強いほど濃い赤で、値下がりが大きいほど濃い緑で表示されます。
操作性とカスタマイズ性
- 注文入力から執行までの操作性を改善
- 不要な手間を省く設計
- レイアウトも自由自在
個別銘柄画面では、株価チャートや気配値、ニュースやその他の銘柄など多彩な情報にアクセスできます。
株価チャート画面上から注文を出すこと、またはその注文を訂正することも可能です。気配値から発注するよりも、チャートから発注したほうがより直感的な取引ができるかもしれませんね(筆者個人としては、チャート発注は結構気になる機能です)。
アルゴ注文
- 発注・監視の手間を省いてらくらく
- プロの投資家も用いる取引手法を誰でも使える
- 感情に左右されずに賢くトレード
アルゴ注文(アルゴリズム取引)とは、コンピュータがシステム的に特定の条件下で注文を行う取引のことです。
コンピューターシステムが株価や出来高などに応じて、自動的に株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す取引のこと。具体的には、自らの取引によって株価が乱高下しないように売買注文を分散したり、また株価が割安と判断したタイミングで自動的に買い注文を出したりする。利用については、投資家が発注時に証券会社が提供する複数の執行ストラテジー(アルゴリズム)から、自分に合うものを選択する方法が一般的である。
これまで、一般的なネット証券では逆指値やOCOなどの特殊注文には対応していましたが、アルゴリズム取引を利用できる証券会社は限られていました(例えば「マネックスアルゴ」など)。
MARKET SPEED Ⅱで対応するアルゴリズム取引には以下のような機能があります。
- トレイリング
- アイスバーグ
- リザーブ
- リンク
- スナイパー
トレイリング注文
逆指値注文に似ていますが、株価の上昇に合わせて逆指値の価格を上げていく注文です。
アイスバーグ注文
アイスバーグとは氷山の意味があります。氷山の大部分が海面下で見えないように、大量の注文を小分けにして発注し、前の注文が約定するたびに次の注文を発注する注文です。
リザーブ注文
リザーブ注文は特定の条件下で発動する注文です。例えば、
- 決算発表前に注文したい
- 年初来安値まで下がったら買いたい
これはアクティブトレーダーでなく、株主優待目的の投資でも使えそうな注文ですね。
リンク注文
リンク注文は連続した注文を、最大10注文まで事前に登録できます。1つの注文が約定したら次の注文を発注します。
スナイパー注文
スナイパー注文は、気配値に注文を見せずに待機し、指定価格に達したら瞬時に発注して約定させます。
「MARKET SPEED Ⅱ」をどう使っていく?
ここから、楽天証券経済研究所の土信田様の紹介に基づきます。ここではチャートの形に基づいて取引する「テクニカル分析」とMARKET SPEED Ⅱの新機能を絡めた話を紹介していただきました。
上記写真にもあるように、MARKET SPEED Ⅱには「チャートフォリオ」という、チャートの形から銘柄を探せる機能が実装されています。検索できるパターンは9種類、ないし25種類あり、株価が上昇しそうな銘柄、上昇が止まった銘柄、逆に下落気味の銘柄などを探せます。
また、移動平均線から乖離率など、様々な条件で検索できる「スーパースクリーナー」機能を利用して、特定の条件下にある銘柄を、あなたの銘柄リストに一括登録することも可能です。
これらの機能をもとに絞り込んだ銘柄に対し、例えばチャート発注やアルゴ注文を使って利益を狙っていきます。
MARKET SPEED Ⅱの利用条件
MARKET SPEED ⅡはこれまでのMARKET SPEED同様に有料ですが、特定の条件を満たした場合のみ無料で利用できます。
MARKET SPEED Ⅱを無料で使える特定条件
- 楽天証券口座申し込みから3ヶ月以内
- 信用口座・先物口座・オプション取引口座・楽天FX口座のいずれかを開設
- マネーブリッジ・自動入出金(スイープ機能)を利用(要・楽天銀行口座)
- 預かり資産残高30万円以上
- 過去3ヶ月以内に1回以上の取引(国内株式・米国株式など)
筆者はマネーブリッジ利用および楽天FX口座の開設を行っているので、無料条件を満たしています。マネーブリッジ利用も楽天FX口座開設も無料ですから、とりあえず登録しておくと、今まで紹介してきたMARKET SPEED Ⅱも無料で使えますよ!
MARKET SPEED Ⅱおよび楽天証券の詳細は下記よりご確認ください。
楽天証券(公式サイト)
余談:MARKET SPEED ⅡはWindowsのみ
残念ながら、2018年9月リリースのMARKET SPEED ⅡはWindows版のみで、Mac OSには対応しません。話を聞いたところでは、WindowsとMac OSでは開発言語が異なるので、今のところは・・・といった感じでした。
そもそもMac OS向けのトレーディングツール自体がMARKET SPEEDに限られますから、今後はMac OS版のリリースにも期待したいですね!(というか、「お願いします」と言ってきましたw)
まとめ
- 楽天証券のMARKET SPEED Ⅱは2018年9月30日リリース予定。現状ではWindows版のみ
- 新機能(注目度が高いのはアルゴ取引)などを使いこなそう。アクティブトレーダー向きだが、株主優待目的など、長期投資家向け機能も備わっている
- 通常は有料だが、条件を満たせば無料で使える。無料条件を満たすのは簡単
なお、素人感想を述べると、MARKET SPEED Ⅱは画面がかっこいいです(笑)。いや、画面のかっこよさって、「今日もがんばるぞ」って気にしてくれるので、大切だと思いますよ(ほら、SBI証券のとか、昔のPCみたいじゃないですか)
説明会終了後に実際に触ってみましたが、本当に情報量が多くて逆に戸惑うほどでした。初見で使いこなすのは難しいと思いますが、操作体系に慣れてくると、自己流にカスタマイズして、見たい情報にスムーズにアクセスできるようになるのでは?と感じました。
リリースされたら、改めて動画込みで紹介したいと思います。
上述のとおり、本来は有料ツールですが、条件を満たすことで無料で利用できます。あなたもMARKET SPEED Ⅱのアルゴ注文を駆使して、機関投資家らに一泡吹かせてやりませんか?
オススメですよ!(画面かっこいいしw)
楽天証券(公式サイト)