伊藤園は、2016年7月現在で国内市場唯一の優先株式(証券コード:25935)を購入できる銘柄です。
優先株式は議決権がないものの、普通株式よりも安価ですので、優待目的での購入に適しています。
優待内容は自社商品詰め合わせで、普通株式と優先株式での違いはありません。
配当金額は優先株式のほうが多く設定されており、利回り面で有利になっています。
優先株式の売買主体は個人投資家です。
権利確定日前の4月末や10月末ごろは株価が上がりやすいため、そのタイミングでの購入は避けるべきです。
優先株式は普通株式と同じように証券会社を通じて購入します。
証券コード25935で検索してみてください。
伊藤園第1種優先株式という銘柄が出てくるはずです。
なお、自販機では株は買えませんので、購入を希望する際には証券口座の開設をお願いいたします。
はじめに
緑茶を始めるとする飲料品で有名なのが伊藤園(証券コード:2593)です。
最近は、水素水のボトル缶なるものを販売していて、いろんな意味で消費者を驚かせました。
そこで、以下では伊藤園の株式の買い方や株主優待などについてご紹介します。
なお、本銘柄はめずらしく市場で優先株式が購入できる銘柄です。
普通株式よりも優れた点がありますので、それもあわせてご紹介します。
伊藤園あれこれ
伊藤園はそもそもお茶の販売に端を発する企業です。
1966年に創業し、もともとはお茶の茶葉を販売していました。
缶入りのウーロン茶やペットボトル入りの緑茶など、飲料業界を先駆けて商品を販売しており、その分野での強い認知度があります。
商品名を思い浮かべれば、だいたいお茶製品になるのではないでしょうか。
2014年の国内売り上げシェアでは第4位に位置しており、業界の約10%程度の売り上げを持っています。
伊藤園の株式を買うには
証券口座の開設と、購入の為のお金が必要です。
お金の話は後述します。
お約束ですが、自動販売機では買えません。
証券口座を開設なさってください。
権利確定日はいつ?
権利確定日は4月末日です。
おおよそ4月25日頃までに株式を保有し、権利確定日まで持ち続けてください。
中間配当はありますが、優待は年1回のみとなっています。
株主優待と配当金の貰い方は株主優待と配当金が欲しい!どうやってもらうの?で紹介していますので、あわせてご覧ください。
優待内容は?
同社の自社製品である飲料品詰め合わせです。
100株保有時には1,500円相当、1000株保有時には3,000円相当の商品が設定されています。
四季報などに提供されている写真を見ると・・・
- おーいお茶緑茶
- おーいお茶絶品ほうじ茶
- 健康ミネラル麦茶
- 黄金ウーロン茶
- 1日分の野菜
- 充実野菜緑黄色ミックス
- おーいお茶一番摘み緑茶
などの商品が含まれています。
これからは水素水も含まれるのでしょうか?
個人的には緑茶よりもほうじ茶が好きなんですが、1,500円相当の詰め合わせには含まれていないようです。
優先株式でお得に株主優待を取得する方法
さて、ここからが本題です。
伊藤園は、2016年7月現在唯一市場で優先株式を購入できる貴重な銘柄です。
同社の優先株式は、普通株式よりも安価に流通しているため、配当金・優待目当てで購入するならば優先株式のほうが有利なのです。
では、その違いについて紹介します。
普通株式と優先株式の違い
株価の違い
優先株式は普通株式に比べて安価です。
2016年7月25日の終値ベースでは、
- 普通株式・・・1株3,840円(最少投資額約39万円)
- 第一種優先株式・・・1株1,940円(最少投資額約20万円)
です。おおよそ半値で取引されています。
議決権の有無と配当金額の違い
普通株式と優先株式の最大の違いは議決権の有無です。
優先株式は株主が経営に参加しない代わりに、優先的に配当が支払われるようになっています。
そのため、配当金額は
- 普通株式・・・1株40円(2017年計画)
- 第一種優先株式・・・1株50円(2017年計画)
となっており、1単元あたりでは1,000円も差が付いているのです。
ちなみに会社を清算した際の財産も優先的に受け取れるという特約があるのですが、そこは気にする必要はないと思います。
優待内容の違い
優待内容は、両株式で同じ物が設定されていますので、違いはありません。
ただし合算もされませんので、例えば普通株式500株、優先株式500株を保有したとしても、それぞれ500株分の株主優待となります。
合算して1000株相当の優待、にはなりません。
どちらを選択するのがよいか
経営に口を出すつもりがない(例えば役員の選出投票などを行わない)のであれば、優先株式のほうが利回り上有利です。
普通はあなたのお仕事で精一杯で余所の経営など気にする余力はないと思いますから、それならば優先株式の購入をオススメします。
優先株式を買う方法
証券コードが異なりますので、該当する証券コードの株式をいつもどおりに売買なさってください。
- 普通株式・・・2593
- 第一種優先株式・・・25935
貴重な証券コード5桁の銘柄です。
売買に関して、証券会社ごとの制限はないと思います。
少なくともSBI証券ならば普通株式・優先株式ともに売買可能です。
まとめ
以上です。
ちなみにここ2年ほどの株価の値動きは普通株式と優先株式で大きく異なっています。
普通株式が高値を目指しているのにたいして、優先株式はおおよそレンジ相場の様相を呈しています。
両者の値動きが異なるのは、売買主体が異なるためで、優先株式は個人投資家のみ売買に参加しているためです。
このことは、株主優待のタイミングで特徴的な値動きをする可能性を暗示させます。
もしあなたが優先株式を通じて株主優待を狙うならば、優待が付与される4月末と、中間配当がある10月末の取引は避けた方が良いです。
5月や11月など、権利落ち後の株価が下落したタイミングこそが買い時です。
一方、普通株式は機関投資家の参加も多いため、明確な権利落ちは見られません。
こちらは適宜相場の流れを読んで狙って行くことになります。