あなたはインターネット上で「イオンの株を貸してお金を受け取ろう」みたいなコンテンツをご覧になったことはありませんか?
- 株を貸す?どういうこと?
- 株を貸すとお金が貰えるの?
- イオンの株を貸したら、株主優待はどうなる?
そういった悩みに回答します。
最初に述べてしまうと、イオンの株式を100株だけ買おうとする少額の投資家にとって、貸株はそこまで旨みのある制度ではありません。
貸株の金利を受け取るよりならば、NISAの非課税枠を利用したほうが数倍お得です。
関連記事:NISAでイオンの株を購入する?初めての株主優待投資で知っておきたい税制優遇制度
それでも「貸株のことを知りたいんだ!」というあなたにこの記事をささげます。
貸株(かしかぶ)とは
貸株(かしかぶ)とは、あなたが持っている株を貸し出すことです。貸出先はあなたが利用している証券会社で、証券会社を通じてあなたの知らない第三者の手元に渡ります。
より詳しい説明をすると、貸し出された株式は「空売り」と呼ばれる投資手法に使われます。デイトレーダーが利益を出すための高度な運用方法です。
もちろん、あなたが「株を返して欲しい」と要望すれば、株はいつでも戻ってきます。
貸株を利用するかどうかは全てウェブサイト上で設定できます。一度設定すると、あとは自動的に処理が行われますので、あなたの忙しい手を煩わせることはありません。
最初証券口座を開設した時点では、「貸株を利用しない」に設定されています。
イオンの株を貸すメリットはお金を貰えること
SBI証券の貸株金利は毎月15日(休日の場合は前営業日)(SBI証券ウェブサイトより)
貸株を行うと、
- 貸し出した期間(1ヶ月単位)
- 貸し出した株数
- 貸し出した株の金利(証券会社が設定)
に応じてお金を受け取れるメリットがあります。
例えば、あなたがイオンの株式を証券会社に貸し出す場合、イオンの株価を1株1,700円、貸し出す株数を100株、貸株金利を0.1%とすると、年間で170円の金利を受け取れます。
銀行預金に100万円預けても年間10円(利息0.001%の場合)しか受け取れないことを考えると、貸株の魅力や旨みが分かるかと思います。
例えばSBI証券の場合、貸株金利は通常0.1%です。イオンの場合、株主優待の権利が決まる2月、8月ごろになると株の需要が増えるために、金利が上がりやすくなるので、2月8月には受け取れる金利額も増えやすくなります。
関連記事:イオン株式の権利確定日を解説!「私はいつまでに株を買えばいいの?」
このお金は毎月証券口座に入金されます。半年や1年ではなく、毎月入金されるのが嬉しいですよね。
もちろん入金されたお金は引き出して使うこともできますし、別の株を買うお金に当てることも可能です。
「優待権利自動取得サービス」でオーナーズカードも確実にゲット!
「優待権利自動取得サービス」を使うなら「優待優先」を選択(SBI証券ウェブサイトより)
通常、貸株を行うと、あなたはイオンの株主優待の権利を失います。あなたが「証券会社にイオンの株を貸しましたよ」という記録は残りますが、株主としての権利はあなたが貸した株を受け取った保有者に移ってしまうからです。
でも、これは困りますね!せっかくの嬉しい優待生活ができないわけですから。
そこで、証券会社が提供する「優待権利自動取得サービス」を利用することで、株主優待の権利が決まる権利確定日のみ、自動で株式を返却してもらうことが可能になります。
つまり、あなたが、
- 貸株でお得に金利を受け取りたい
- でも、優待の権利を失いたくない
ならば、「優待権利自動取得サービス」を利用しながら貸株を行うことになります。
これで株主優待も逃すことなく、確実に受け取れますので、安心できると思います。
ちなみに配当金の場合は、貸株中だったとしても、配当金相当額として配当と同額のお金を受け取ることができますので、貸株の有無に関わらず、お金をもらえます。
関連記事:イオン株はどこで買うの?株主優待と購入方法を徹底紹介!
貸株を利用するデメリット
NISAを利用するとイオンの株は貸し出せない
NISAとは「NISAでイオンの株を購入する?初めての株主優待投資で知っておきたい税制優遇制度」でも紹介していますが、投資で得た利益にかかる税金が免除される税制優遇制度です。
制度上、NISA預りで購入した株式を貸し出すことはできません。もしあなたがイオンの株式をNISA預りで購入してしまったら、残念ですが、その株は貸し出せません。
しかし、NISA預かりで株式を保有すると、配当金などに発生する税金が非課税になります。イオンの配当金実績から考えると、600円程度の税金が免除されますので、実は貸株を通じて金利を受け取るよりもお得です。
- 貸株で受け取れる金額(年間):170円(1株1,700円、貸株金利0.1%)
- NISAで免除される税金額(2016年実績):約609円(3,000円 × 20.315%)
あなたが投資初心者なら、貸株よりもNISAのことを知ったほうが役立つと筆者は思います。
証券会社が破綻すると貸したイオンの株は行方不明になる
あなたの株を借りている証券会社が破綻すると、あなたの株式はあなたの元に戻らない可能性があります。貸株は担保なしで証券会社に融資しているのと同等だからです。
例えば、SBI証券や楽天証券のような大手証券会社が簡単に破綻するとは思えませんが、貸株には「貸したものが返ってこないリスクがある」ことは承知の上で利用して欲しいです。
ちなみに、仮に証券会社が破綻しても、貸株を使っていなければ、あなたの株式の権利は保全されますので安心してください。
あなたの株が返らない可能性があるのは、
- 証券会社が破綻した
- 破綻した時点で、その証券会社に株を貸している
の2つの条件が揃ったときのみです。
イオン株を貸し出すか、貸しださないか
- 毎月の金利が欲しいならば貸し出す
- NISAの非課税を重視するなら貸し出さない
- 「貸した株が返ってこないリスクがある」を重視するなら貸し出さない
上述のとおり、貸株を利用していても「優待権利自動取得サービス」を使えば株主優待の権利を失うことはありません。
貸株を利用するならば、SBI証券や楽天証券のような、財務のしっかりとした大きな証券会社で利用するのが良いと思います。
関連記事:SBI証券の口座開設手順と必要な時間・書類などを解説!
まとめ
- イオンの株を100株貸し出すと、毎月10~20円前後の金利を受け取れる
- 株を貸し出したときは、証券会社の破綻リスクの注意。破綻すると株式は戻ってこない可能性
- 「優待権利自動取得サービス」を利用すれば、株を貸し出していても、株主優待を受け取れる
ちなみに筆者はNISAでイオンの株式を保有しているため、貸株は利用していません。
年間100円程度の金利ならば、NISAを使ったほうがお得ですし、証券会社の破綻リスクも考えると、「本当に貸して大丈夫か」みたいな不安感もありますよね。
あなたのお好みで使い分けてみてください!