マルチディスプレイのパソコンを持たずとも、株取引やFXはできます。「マルチディスプレイでなければ株取引できない」は誤解です。ディスプレイ1枚のWindowsノートパソコンでも十分です。
しかし、あなたがテレビや雑誌に出てくるデイトレーダーの取引環境に憧れるなら、そのようなパソコンを買ってみてはいかがでしょうか。
通常、液晶ディスプレイを3枚、4枚と並べて株・為替取引を行うには、専用のグラフィックカードを増設したデスクトップパソコンを用意します。
このようなパソコンはBTOパソコンメーカーなどを通じて入手します。富士通などの国産大手メーカーのパソコンは、もともと拡張することを想定していないため、グラフィックカードの増設は難しいです。
よくわからなければ、最初からマルチディスプレイ対応を謳うパソコンを買うのが簡単です。例えば
- パソコン工房の外為パソコンや
- ドスパラの多画面対応パソコンなど
なお、単にパソコンデビューを考えているだけなら、資産運用目的のパソコンはMicrosoft Surfaceでで紹介するようなパソコンで十分です。繰り返しますが、マルチディスプレイである必要はないのです。
マルチディスプレイ環境を構築できるパソコンは?
全ての株やFXのトレーダーがパソコンに詳しいとは限りません。そんな彼らのために、投資専用パソコンやトレーディングパソコンが用意されています。
そこで、あなたもそのパッケージを購入することで、マルチディスプレイの環境を簡単に用意できます。
なお、それらを販売するのはオーダーメイド式のパソコンを販売するBTOパソコンメーカーです。富士通やNEC、Panasonicなどの国内大手メーカー製パソコンではないので、その点はご了承ください。
パソコン工房の外為パソコン
外為パソコンは外為どっとコムの取引環境に合わせた最大6画面のデスクトップパソコンです。外為どっとコムの取引ソフトがプリインストールされているのが特徴です。
ただ、あなたが外為どっとコムユーザーでなくとも、もちろん利用できます。購入後に別の取引ソフトを入れれば良いのですから。
外為パソコンは、パソコン工房のスタッフがあなたの自宅を訪ねて、パソコンとモニターの設置を行います(インターネット契約は別途、他の事業者に申し込む必要あり)。
その分少々高い値段になるものの、まったくのパソコン初心者が購入するには良いパッケージだと思います。
パソコンの性能で見た場合、RAM 8GBのHDD 1TBとかなり余力のある構成です。各種トレード以外にも音楽・動画編集にも利用できるスペックです。
パソコン工房は株式会社ユニットコムが運営しています。ユニットコムの親会社は株式会社MCJ(東証2部。証券コード6670)です。
ドスパラの多画面対応パソコン
BTOパソコンメーカーとして著名なドスパラが販売する多画面対応パソコンを利用する方法があります。
2016年2月23日現在で販売されている「レイトレック MD-4」はCore i3を搭載した4画面モデルです。必ずしも株や為替取引目的のパソコンではないので、購入後の環境セッティングはあなたが行います。
販売単価は69,980 円(+ 税)と安価です。その代わり、ディスプレイは付属しませんので、ディスプレイ4台とモニターアーム(ディスプレイを支えるアーム)を別途購入する必要があります。全てあわせると15万程度になるかもしれません。
セッティングはすべてあなたが行います。支出を安価に抑えたいあなたにオススメできます。
【ドスパラ】パーツ・周辺機器は5,000円(税込)以上で送料無料!
「ドスパラ?聞いたことないなぁ」と感じるかもしれませんが、秋葉原では有名なパソコンショップの1店です。
なぜ普通のパソコンではマルチディスプレイ環境を構築できないのか
グラフィックカードの増設が難しいからです。
そもそも、パソコンと3枚を超える液晶ディスプレイを接続するために、パソコンから各液晶ディスプレイに映像を出力する端子が必要になります。普通の国産パソコンは1枚、もしくは2枚まで出力できることが多いです。
3枚を超える場合、グラフィックカード(グラフィックボード、グラボ、ビデオカードなどとも呼びます)の増設が必要になります。グラフィックカードを増設することで、物理的な端子数とパソコンの同時画面出力数を増やせます。
ただ、この話はそれほど簡単ではありません。というのも、
- 物理的な形状の問題
- 増設スロットの規格の問題
- 電源容量の問題
を考慮して、グラフィックカードを選ばなければいけないからです。
物理的な形状の問題
グラフィックカードがパソコンのケースや冷却ファン、HDDなどと物理的に干渉する場合があります。国内大手メーカーのデスクトップパソコンは、パソコンをコンパクトにまとめる傾向にあるため、ケース内が窮屈でカードの増設が難しいのです。
加えて、近年主流の液晶一体型と呼ばれるデスクトップパソコンはそもそもグラフィックカードを拡張できません。
増設スロットの規格の問題
グラフィックカードはパソコン内の基板(マザーボード)のPCIスロットに差し込みます。このPCIにもいくつか規格があります。
例えば、マザーボード側のスロットがPCI Express x16の場合、PCI Express x16/x4/x1に対応するグラフィックカードを利用できます。逆にマザーボード側がPCI Express x1であれば、グラフィックカードもPCI Express x1のものしか利用できません。
こちらも例に漏れず、国内大手メーカーのパソコンはあまり拡張性が重視されていません。条件を満たすカードが手に入らない可能性もあるのです。
電源容量の問題
グラフィックカードには映像処理を行う専用のCPUが載っており、高性能なものほど消費電力も大きくなります。
例えば2015年10月14日時点で人気のゲーミング用グラフィックカード「GTX 980TI GAMING 6G」は消費電力が250Wです。一般的なデスクトップパソコンの電源容量は約300W前後なので、パソコン全体の電力が不足します。
消費電力が電源ユニットの電力供給能力を上回ると、パソコンが起動しなかったり故障したりする原因になります。
何も考えずにパソコンを買ってしまうとカスタマイズが難しい
以上より、何も考えずに国内大手メーカーのパソコンを買ってしまうと、せいぜいモニター2枚程度で我慢しなければいけないことになります。取引はできますが、液晶ディスプレイは簡単には増やせないのです。
もしあなたがパソコンに詳しいなら、自作をするかパーツ交換することを前提にBTOパソコンを買うのをオススメします。
それが難しいなら、先に挙げたパソコン工房やドスパラのモデルを利用します。もともとマルチディスプレイ用途に作られているのですから、パソコン購入での失敗を防げます。
まとめ
- 普通のパソコンがマルチディスプレイ対応できないのは拡張性がないから
- 困ったらパソコン工房やドスパラの他画面モデルを買うのが一番簡単
- それを利用しない場合にはBTOパソコンの利用を前提に
です。
もし、購入を検討されているなら、以下の2つのショップもぜひチェックしてみてください。パソコンの単価はドスパラのほうが安いですが、液晶ディスプレイやアームの選定も必要なので、中級者以上向きかもしれません。