日本航空(証券コード:9201)の株主優待は株主優待割引券とJALパックツアー割引券の2つ。いずれか一方ではなく、両方もらえます。
ANAホールディングス(詳細はANA株を購入するには?株主優待で高級ホテルへの旅行もオススメ!)に比べて株主優待の内容では劣ります。一方でANAに比べて配当金利回りが高いため、長期的な金銭的リターンを求めた投資に適しています。
2010年に経営破たんした同社ですが、2012年に再上場して以降は黒字経営が続いています。有利子負債は順調の減り、自己資本比率も高まり続けています。
2016年9月21日現在では約36万円で投資できます。SBI証券等のネット証券にNISA口座を開設して購入すると、手数料無料でお得に購入できます。
株主優待を使ってお得な価格で海外旅行に行くのも良いかもしれませんね。
日本航空株を買うためにいくら必要か
日本航空の株価は2017年2月17日現在で1株当たり3,617円です。同社の1単元(単元については初めての株式購入。株を買うにはいくらお金が必要なの?)は100株ですから、あなたが用意すべきお金は3,617 × 100株 = 約36万円です。
2017年2月の相場では、2016年10月ごろに株価が底打ちしてから緩やかな値上がりが続いています。同じ航空株であるANAの株価と値動きが似ているのも特徴です。
2015年は1株4,500円を超えていたことから、現在の株価は2年前に比べて優待目的の購入がしやすくなっています。
日本航空株を買うには
日本航空株を買うためには、証券口座を開設して購入します。
- 証券口座を開設する(証券口座を開設するには)
- お金を入金する(2016年9月21日の株価なら約32万円)
- 日本航空株を買う
- 権利確定日まで待つ(株主優待と配当金が欲しい!どうやってもらうの?)
お約束ですが、空港窓口や旅行代理店等で株式は買えません。証券口座の開設は必須です。
今回約36万円の購入代金ならば、250~500円程度の取引手数料が必要です。
単純に日本航空株だけを買うなら、カブドットコム証券が手数料最安です。総合的な資産運用を考えると、商品取扱の豊富なSBI証券や楽天証券の利用がオススメです。
NISA口座を利用すると取引手数料を無料で買うことができます(詳細はNISAで株の取引手数料無料ってどういうこと!?)。
図1. 日本航空株の詳細画面(SMBC日興証券アプリ)
日本航空の株主優待を貰うためには
配当金と株主優待を得るためには、同社の株主になる必要があります。日本航空の株主になるためには、年に2回ある権利確定日に同社の株式を保有している必要があります(権利確定日については株主優待と配当金が欲しい!どうやってもらうの?をご覧ください)。
日本航空の権利確定日は3月末と9月末の年2回です。遅くとも両月の25日ごろまでに株式を買っておくと株主の権利を獲得できます。
優待と配当金が手元に届くのは、権利確定から約3ヶ月です。
配当金と株主優待の紹介
日本航空の株主優待は、ANAホールディングスと同様で株主割引券とツアー割引券の2種類あります。どちらかの選択ではなく、両方もらえるのが嬉しいところです。
配当金は年1回
2016年9月現在で、毎年3月に配当金実績があります。株主優待の権利確定日は年2回ですが、配当金は3月の年1回のみです。
2016年3月時点で、1株あたり120円(1単元あたり12,000円)の配当金が出ています。この利回りは日経平均株価構成銘柄の平均(約1.5%程度)を上回る約3.5%と高利回りな銘柄です。
株主割引券
1つ目は株主割引券です。同社が営業する国内定期路線運賃の50%割引となります。
3月の株主優待では、保有株数が100株の時に1枚、300株の時に2枚、以下200株ごとに1枚の割合で支給されます。1000株を超えると、500株に対して1枚の割合になりますので、100株の保有時の利回りが最も高いです。
9月の株主優待では、保有株数が200株の時に1枚、400株の時に2枚、以下200株ごとに1枚の割合で支給されます。1000株を超えると、500株に対して1枚の割合になりますので、100株の保有時の利回りが最も高いです。
また、3年以上株主名簿(同一の株主番号)に掲載され、かつ300株以上を保有している場合には追加での支給もあります。
株主割引券には1年間の有効期限があります。
- 3月・・・6月1日~翌年5月31日
- 9月・・・12月1日~翌年11月30日
あなたのご家族や友人でも利用可能です。使えない場合には譲渡するのも良いと思います。
JALパックツアー割引券 (7%割引)
2つ目はJALパックツアー割引券 (7%割引)です。3月は100株保有時に2枚、9月は200株保有で2枚もらえます。
割引券1枚で参加者全員が割引を受けられるため、家族両行のほかにも友人たちとの旅行でも利用できます。指定された国内外のツアーで利用できるため、海外旅行に行くのも良いかもしれませんね。
優待割引券同様に1年間の有効期限があります。
- 3月・・・6月1日~翌年5月31日
- 9月・・・12月1日~翌年11月30日
日本航空株とANAホールディングス株。どちらがお得?
配当金と優待内容から、日本航空株かANAホールディングス株のどちらに投資するか考えます。(図1)。
表1. 日本航空株かANA株の配当金・株主優待比較(2016年の情報に基づく)
企業 | 配当金(1単元) | 株主優待 | 必要投資額 |
---|---|---|---|
日本航空 | 12,000円 | 50%割引券 パックツアー割引券 | 約36万円 |
ANA HD | 5,000円 | 50%割引券 提携ホテル割引券 売店・免税店割引券 ゴルフ割引券 その他工場見学など | 約32万円 |
表1で示すように、
- 配当金で選ぶなら日本航空
- 株主優待で選ぶならANAホールディングス
- 株価で選ぶ(より少額で購入する)ならANAホールディングス
です。
基本的には、株主優待よりは配当金を貰ったほうが合理的です。貰ったお金を再投資すれば、それ自体がお金を生みますし、用途も自分で自由に決められるからです。
ですが、株主優待は私たちを投資にひきつける魅力があります。「株主優待を利用してツアーに行ってきました」というのは、1つのステータスとも感じるかもしれません。
株価ベースで言えば、ANAのほうが数万円安価なため購入しやすいです。
経営破綻から再上場まで
日本航空は2010年に経営破綻し上場廃止になった銘柄です。当時、同社の経営再建のために、アメーバ経営など独特な経営手腕で知られる稲盛和夫氏が就任したことが話題になりました。
同社の上場廃止直前の株価は、1円までに値下がりしました。初めての株式購入。株を買うにはいくらお金が必要なの?で触れたように、1円で買って2円で売るといったマネーゲームの材料となり、上場廃止が決まっているのに、出来高が数千万株にも達していたようです。
上場廃止後、同株は100%減資されたため、株式は紙くず(電子くず)になりました。その後、企業再生支援機構が資金を出資して新しい株主となり経営再建を行い、2012年にその株式がIPOで売り出されています。
残念ながら、上場廃止前に株式を持っていた人達の利益にはならなかったのですね。
再上場時の初値は3,810円です(2014年10月に1対2の株式分割をしているため、現在のチャートで表示される初値は1,905円です)。再上場後は毎年黒字経営が続いています。
まとめ
以上です。まとめると、
- 日本航空(証券コード:9201)は約32万円程度で購入可能
- 配当は年1回、優待は年2回で特に配当金利回りの高さが魅力
- 経営は再建されており、安心して投資できます
です。
ANAホールディングス株に比べて配当金利回りの高さが魅力です。優待も気になりますが、ぜひ配当金も楽しみにしてみてください!
ちなみに36万円の投資が難しいのであれば、単元未満株で投資する手もあります。
例えば、同社株を10株だけ購入すれば、約3.2万円の投資で年間1,200円程度の配当金が見込めます。1株の投資に絞っても、約3,200円で120円の配当金ですから、銀行預金より魅力的です。
毎月数株ずつ購入していけば、100株に達した時点で株主優待の権利も得られます。あなたの財布と相談して決めてみてください!